ショートプログラム(SP)トップで、平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)銀メダリストの宇野昌磨(20=トヨタ自動車)がフリー1位の172・05点を記録し、合計276・20点で3連覇を果たした。

点数は伸びなかったものの「今日の演技は本当に『練習よりできなかった』とか、『練習よりできた』とかではなくて、必然とできた演技。これが今の自分の実力と再確認しました」と充実した表情で振り返った。

上半身が白、下半身が黒の衣装で新フリー「月光」を実戦初披露。冒頭の4回転サルコーは着氷が乱れたが、続く4回転フリップを回転不足ながらこらえ、4回転トーループを成功させた。昨季終盤で封印した4回転サルコーについては「公式練習とか見ているみなさんからしたら、『上出来なんじゃないか』っていう声が上がると思うんですけれど、自分も上出来だったと思います」と場を和ませた。

中盤は「踏み込みが甘かった」というトリプルアクセル(3回転半)で転倒するなど、完璧な演技とはいかなかったが、今季のルール改正で30秒短縮された4分の演技を体験。演技後は右膝に手をつき、疲れた表情を見せながらも笑顔だった。

3年連続で国際大会初戦にロンバルディア杯を選び、現地ベルガモでの人気も急上昇中。昨季は自己ベストの合計319・84点をマークしたが「例年に比べて、一番いい初戦だったと思う。点数は去年の方が出ているけれど、今年の方が手応えというか、『自分でつかみとった演技』っていう実感があるので、もっともっと今シーズン良くなっていくと思っています」。自分自身が想像以上の出来で驚いた1年前と比べても、得たものが大きい初戦となったようだ。

次戦はフリーのみのジャパン・オープン(10月6日、さいたまスーパーアリーナ)で、グランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダ(10月26~28日、ラバル)へと進んでいく。「次に向けて頑張りたい気持ちが芽生えました」。宇野の表情が一層、引き締まった。

2018年9月15日23時56分 https://www.nikkansports.com/